滋賀県信用農業協同組合連合会は、持続可能な農業の実現や地域社会の発展、社会課題等の解決、気候変動をはじめとする自然環境保全に資する取組みを広く実践することにより、国際連合が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するため、「SDGs宣言」及びSDGsの達成に向けた「SDGs取組方針」を制定しました。

JAバンク滋賀信連SDGs宣言

JAバンク滋賀信連は「組合員及び地域の人々に対する快適な生活の実現と、農業の発展に貢献する事業を展開する」という経営理念のもと、国際連合が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、JAとともに、持続可能な地域農業・地域社会づくり、自然環境の保全等に取組んでまいります。

2022年11月14日
滋賀県信用農業協同組合連合会
代表理事理事長  川﨑 宏

Sustainable Development GOALS

SDGs取組方針

JAバンク滋賀信連は、農業者の協同組織金融機関として次の2つの取組みを通じて、SDGsで目指す目標を達成していくこととします。

Ⅰ 持続可能な農業・地域社会づくりに向けた取組み

 農業者の協同組織金融機関として、「健全な事業を営む農業者をはじめとする地域のお客様に対して必要な資金を円滑に供給していくこと」を当会の最も重要な役割のひとつとして位置づけ、JA等と連携し、持続可能な農業の実現と地域社会の発展に向けた取組みを進めます。


Ⅱ 自然環境の保全、社会課題解決に向けた取組み

 JAや地域行政等と連携し、地域の人々が快適な生活を実現できるよう社会課題解決に向けた取組みを進めるとともに、気候変動をはじめとする自然環境の保全にも取組み、協同組織金融機関としての役割を発揮します。

当会では持続可能な経営を実現し、農家組合員等利用者・地域に貢献するという使命を果たすため、当会の「SDGs宣言」および「SDGs取組方針」に基づき、持続可能な農業の実現や地域社会の発展、社会課題等の解決、気候変動をはじめとする自然環境保全に寄与する取組みを広く実践していきます。

  • 気候変動が農業・地域社会に与える影響は極めて大きいものと認識しており、協同組織の地域金融機関として役割を発揮する必要があると考えています。
  • 当会の取組みについては、TCFD提言が求める開示項目(4つの基礎項目)に沿って定期的に開示を行います。
  • 開示内容については、段階的に充実していくことを検討しています。

基礎項目

  • ガバナンス
  • 戦略
  • リスク管理
  • 指標・目標
TCFD
金融安定理事会(FSB)により2015年12月に設置された諮問機関で、メンバーは民間企業の代表で構成される。
TCFD提言
気候変動に起因する財務的なリスクと機会にかかる開示を通じて、パリ協定合意を受け世の中が低炭素社会に移行する中でも、自社の事業が持続可能であることをステークホルダーに示すための枠組み。

ガバナンス

  • 気候変動を含む社会課題は経営上の重要事項として捉え、 理事会・経営管理委員会で議論し、「SDGs宣言」・「SDGs取組方針」に基づいたサステナブル経営に反映しています。
  • 具体的な対応方針や取組状況は、理事会傘下のコンプライアンス委員会において「サステナブル経営に関する事項」として協議し、委員会での議論は少なくとも年に1回以上の頻度で理事会および経営管理委員会に報告されます。
  • 理事会および経営管理委員会は、報告された「サステナブル経営に関する事項」に対して適切に監督する態勢を構築しています。
  • コンプライアンス委員会は、委員長を理事長、委員を全理事と各部署の代表者(部長)で構成しており、年4回以上開催しています。

    ※コンプライアンス委員会では、気候変動に伴う機会とリスクの識別・評価や対応方策・目標等について議論し、経営戦略・リスク管理に反映していきます。

戦略

  • 当会では、短期(5年)・中期(10年)・長期(30年)の時間軸で気候変動に伴うリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会を2℃(政策・規制が導入され気候変動が抑制される場合)・4℃(政策・規制が導入されず気候変動が抑制されない場合)シナリオを前提に評価しています。
  • 気候変動による当会の財務への影響は、取引先のリスクと機会が、貸出を通じて当会のリスクと機会にかかわるものと認識しています。取引先自身に気候変動によるリスクと機会を理解いただき、取引先に機会を拡大し、リスクを縮小いただけるよう対応することが、地域経済の持続可能性を確保するためには重要と考えています。
種類 主なリスク 時間軸
移行リスク 政策・法規制 気候変動抑制に関する法規制強化による当会および取引先企業の規制対応コストの増加 短・中・長期
市場 消費者の嗜好の変化により、商品・サービス需要変化に伴う取引先企業の業績悪化 中・長期
評判 低炭素社会への移行に関する当会の取組みに対する顧客や地域社会からの評価悪化 短期
物理的リスク 急性
慢性
農業生産への影響等によるJA経営基盤等の悪化 短・中・長期
当会の保有資産への被害や操業停止等による業績の悪化
取引先企業の保有資産への被害や操業停止による業績悪化、当会の担保資産の価値減少

※移行リスクとは、低炭素社会へ移行するための政策、制度、規制等の変化、関連する市場動向等に起因するリスクのことです。

※物理的リスクとは、突発的災害の増加に起因する急性リスクと、気象パターンの長期的変化により顕在化する慢性的リスクのことです。

種類 主な機会 時間軸
機会 政策・法規制 エネルギーの省力化技術や再生可能エネルギー普及による事業コストの抑制 中・長期
市場 気候変動抑制に資する金融商品・サービスへの顧客の需要増加 短・中・長期
評判 低炭素社会への移行に関する当会の取組みに対する顧客や地域社会からの評価向上 短期

※機会とは、移行リスクの反対の側面を想定し、気候変動の影響により市場規模が拡大している又は今後拡大することが見込まれる産業に対する投融資機会が増加することです。

炭素関連資産の状況
2021年TCFD改訂に伴い再定義された炭素関連資産向け貸出金がポートフォリオ全体に占める割合は9.1%です。
(2023年3月末時点の貸出金合計1,412億円のうち129億円)

※炭素関連資産は、「エネルギー」、「運輸」、「素材、建物」、「農業、食料、林産物」のセクターに該当する業種について、当会で日銀業種分類をベースに取引先の主たる事業に該当する業種を対象セクターとみなし集計したものです。

リスク管理

  • 当会では、気候変動に関連する移行リスクや物理的リスクの影響を鑑み、当会取引先の事業活動に及ぼす信用リスク等を中心にリスク管理を実施しています。
  • また、「SDGs取組方針」に基づき、環境・社会等に影響を与える可能性のある特定の事業及びセクターへの投融資に関する「サステナブル・ファイナンス方針」を制定しています。

指標・目標

  • 当会は、「JAバンク滋賀事務センタービル(2014年竣工)」および「JAビル滋賀(2015年竣工)」の両ビルが稼働した2015年度を基準年度としており、総CO2排出量(Scope1およびScope2)をGHG排出量の指標として設定し、2030年度に2015年度比▲50%の排出量削減を目指します。
  • 2022年度のScope1およびScope2のCO2排出量は171tであり、2015年度比▲39.7%の削減となりました。

※GHG排出量とは、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出量のことです。GHGはGreen House Gasの略。

※Scope1とは、ガソリン・ガス・灯油等の使用による直接排出量のことです。(使用燃料に所定の排出計数を乗じて算出)

※Scope2とは、電力使用による直接排出量のことです。(使用電力量に所定の排出計数を乗じて算出)

目標額
サステナブル・ファイナンス目標実行額(累計): 300億円(2030年度末まで)

実績額
サステナブル・ファイナンス新規実行額(累計): 36.5億円(2022年度末時点)
うち気候変動対応に資する投融資実行額(累計): 34.5億円(2022年度末時点)

日本銀行が行う「気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション」の利用に際して、わが国の気候変動対応に資する投融資と判断するにあたっての基準および適合性の判断のための具体的な手続きについて開示します。

気候変動対応オペにかかる対象投融資に関する基準および適合性の判断のための具体的な手続きの開示